企業取引と税務否認の実務(第2版) 出版社:一般財団法人 大蔵財務協会 登録情報 著者: 太田 洋 / 伊藤 剛志 共編著 出版社: 一般財団法人 大蔵財務協会 ISBN: 978-4-7547-3064-2 発刊日: 2022-11-08 定価 ¥5,500 (税込) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 カートに入れる 商品の紹介 初版の刊行から7年が経過し、その間、ヤフー・IDCF事件最高裁判決、TPR事件控訴審判決、IBM事件控訴審判決、ユニバーサルミュージック事件最高裁判決、クラヴィス事件最高裁判決、混合配当事件最高裁判決など税務否認を巡る多数の重要な裁判例が公表され、また、伝統的な法人税課税の分野のみならず、消費税に係る紛争事例・重要裁判例や租税条約に関連する問題も増えている。このような状況に鑑み、本書の第2版では、初版の内容・構成を大幅に見直して企業が行う各種の取引・組織再編行為を課税当局がどのように否認をしてきたのか、国税不服審判手続や裁判手続において争われた代表的な事例を取り上げて、網羅的かつ詳細な分析・検討を行ったものである。◆ ヤフー・IDCF事件やユニバーサルミュージック事件など重要な裁判例・裁決例を徹底解説。◆ 行為計算否認規定によらない否認事例や消費税法・租税条約についても詳述。★主要目次★第Ⅰ部 総論 企業取引と租税回避行為の否認第1章 租税回避行為の否認とその手法一 はじめに二 租税回避行為の否認のために用いられる手法1 租税法上の根拠に基づく否認2 解釈論上のテクニックに基づく否認第2章 法人税法132条(同族会社の行為計算否認規定)について一 同族会社の行為計算否認規定(法人税法132条)の趣旨及び概要二 法人税法132条の適用要件とその射程1 否認の対象となる行為又は計算の主体2 否認の対象となる「行為」の範囲3 否認の対象となる「計算」の範囲4 「法人税の負担を......減少させる結果となる」の意義5 「不当に」の意義(不当減少性要件)6 主観的な租税回避目的の要否三 法人税法132条の効果に関する問題第3章 法人税法132条の2(組織再編成に係る行為計算否認規定)について一 法人税法132条の2の趣旨と概要二 法人税法132条の2の適用要件とその射程1 適用対象となる行為又は計算2 適用対象となる法人3 「不当に」という文言(不当減少性要件)の意義4 租税回避の意図5 税負担の減少をもたらす事由三 法人税法132条の2の適用の効果第4章 法人税法132条の3(通算法人に係る行為計算否認規定)について一 法人税法132条の3の趣旨及び概要二 法人税法132条の3の適用要件とその射程1 否認の対象となる行為又は計算の主体2 否認の対象となる「行為」の範囲3 否認の対象となる「計算」の範囲4 「不当に」という文言(不当減少性要件)の意義5 租税回避の意図6 税負担の減少をもたらす事由三 法人税法132条の3の適用の効果第Ⅱ部 各 論⑴ 行為計算否認規定の適用による否認事例第1章 企業組織再編成と否認⑴~ヤフー・IDCF事件一 はじめに二 ヤフー事件及びIDCF事件の事案の概要と主な争点1 ヤフー事件及びIDCF事件を巡る一連の司法判断の経過2 ヤフー事件及びIDCF事件における事案の概要3 ヤフー事件及びIDCF事件の主要な争点三 ヤフー・IDCF事件一審判決の概要と同控訴審判決の概要1 ヤフー・IDCF事件一審判決の判示2 ヤフー・IDCF事件控訴審判決の判示四 ヤフー・IDCF事件上告審判決の概要とその分析1 法人税法132条の2に関する解釈(前述の争点A-1~A-3)2 法人税法57条3項及び同法施行令112条7項5号に関する解釈~個別的否認規定(同法57条3項)と法人税法132条の2との関係について(前述の争点B-1~B-3)3 法人税法施行令112条7項5号等への具体的な事実関係の当てはめについて4 完全支配関係継続見込み要件に関する解釈とその具体的な事実関係の当てはめについて(前述の争点C-1〜C-3)5 法人税法132条の2による「引き直し」は私法上の法形式として別の法形式であることを要するか及び「引き直し」の具体的内容第2章 企業組織再編成と否認⑵~TPR事件一 はじめに二 ヤフー・IDCF事件最高裁判決における法人税法132条の2の不当減少性要件に係る判断枠組み三 TPR事件東京高裁判決の分析と検討1 事案の概要2 TPR事件東京高裁判決の判示3 分析と検討四 PGM事件の分析と検討1 事案と裁決の概要2 PGM事件審判所裁決の問題点五 終わりに第3章 連結納税グループに属する親子会社間の自己株式取得と否認(IBM事件)〜法人税法132条の適用⑴〜一 はじめに二 事案の概要三 本件一審判決の内容と検討1 一審における争点2 不当性の評価根拠事実①(正当な理由ないし事業目的の有無)の検討3 不当性の評価根拠事実②(本件融資が独立当事者間の通常の取引とは異なるものといえるか)の検討4 不当性の評価根拠事実③(租税回避の意図の有無)の検討5 本件一審判決の検討四 本件控訴審判決の内容と検討1 控訴審における国側の新主張と本件控訴審判決の大枠2 「租税回避の意図」と「正当な理由ないし事業目的」の存否3 独立当事者間の通常の取引と異なっている場合4 本件一連の行為が本件税額圧縮の実現のために一体的に行われたものか否か5 本件各譲渡がそれ自体で独立当事者間の通常の取引と異なるものであり経済的合理性を欠くといえるか五 本件に関するその他の論点1 平成13年度税制改正による帳簿価額基準廃止との関係2 旧株主(米国WT)においてキャピタル・ゲイン課税を受ないまま日本IBM株式の帳簿価額が結果的にかさ上げされていることの評価六 本件控訴審判決の意義とその射程第4章 グループ会社の借入れと否認(ユニバーサルミュージック事件)~法人税法132条の適用⑵~一 はじめに二 事案の概要1 メイン・ストーリー(本件組織再編取引等)2 サブ・ストーリー(A社グループの日本子会社再編)3 本件組織再編取引等の前後の対比三 本件一審判決の判旨の概要1 本件の争点2 不当減少性要件の充足の有無の判断基準3 経済的合理性の有無を判断する対象4 基準の当てはめに用いた判断手法5 具体的な事実関係に基づく経済的合理性の有無の判断6 結論四 本件一審判決の分析と検討1 不当減少性要件の解釈に関するIBM事件控訴審判決との関係について2 主観的な租税回避の意図ないし目的の要否3 経済的合理性の有無を判断する対象となる行為又は計算の範囲4 過少資本税制及び移転価格税制との関係~デット・プッシュ・ダウンとBEPS5 米国税制上の考慮と経済的合理性6 本件における法人税法132条の2の適用可能性7 本件一審判決の評価五 本件控訴審判決の判旨の概要1 不当減少性要件の検討対象たる「その法人の行為又は計算」の意義(行為・計算要件)2 不当減少性要件の充足の有無の判断方法3 具体的な事実関係に基づく経済的合理性の有無の判断六 本件控訴審判決における不当減少性要件の判断方法の分析と検討1 不当減少性要件の検討対象たる「その法人の行為又は計算」の意義(行為・計算要件)について2 本件控訴審判決の不当減少性要件の判断方法と金子説(異常変則性・正当理由併用説)との関係3 本件控訴審判決が採用した不当減少性要件の判断方法の適用範囲4 本件控訴審判決の事実認定や当てはめに関して注目される点5 本件控訴審判決の評価七 本判決の概要1 不当減少性要件の充足の有無の判断方法2 具体的な事実関係に基づく経済的合理性の有無の判断八 本判決における不当減少性要件の判断方法の分析と検討1 経済的合理性基準説の確立2 経済的合理性の判断方法九 本判決の当てはめ──本件控訴審判決との相違点1 本件組織再編取引等の経済的合理性について2 本件借入れの融資条件等の評価について十 総括第5章 擬似DESに基づく新株の高額引受けとその額面超過分についての寄附金認定(日本スリーエス事件・相互タクシー事件)〜法人税法132条の適用⑶〜一 問題の所在二 日本スリーエス事件一審判決の事案と判旨1 事案2 日本スリーエス事件一審判決の判旨3 日本スリーエス事件控訴審判決の判旨三 日本スリーエス事件一審判決についての分析と検討1 行為計算否認の対象と「通常の経済人の行為として不合理、不自然な行為又は計算」か否かの判断基底2 行為又は計算の経済的合理性3 異常ないし変則的で経済的合理性がないか否かの判断基準4 本件高額払込みにおける寄附金の範囲5 本件株式譲渡の譲渡価額の相当性四 相互タクシー事件一審判決の事案と判旨1 事 案2 相互タクシー事件一審判決の判旨3 相互タクシー事件控訴審判決の判旨五 相互タクシー事件一審判決についての分析と検討1 高額の増資払込みと寄附金2 本件高額払込みに関する寄附金該当性3 法人税法37条による否認と同法132条による否認との関係第6章 グループ法人税制外しの否認~法人税法132条の適用⑷~一 はじめに二 事実関係1 事案の概要2 事実関係三 本裁決の概要1 争点2 本裁決の内容四 検討第Ⅲ部 各 論⑵ 行為計算否認規定以外の規定の適用・解釈による否認事例第1章 Recharacterizationによる否認⑴〜日本ガイダント事件〜一 はじめに二 日本ガイダント事件の概要1 訴訟に至る経緯2 匿名組合契約の税務上の取扱い三 本件の争点と裁判所の判断1 争 点2 本地裁判決の概要3 本高裁判決の概要四 本判決の分析と検討1 Recharacterizationによる租税回避行為の否認の理論的根拠2 匿名組合契約と任意組合契約の間のrecharacterization3 本判決の分析と示唆4 匿名組合契約と租税条約第2章 Recharacterizationによる否認⑵〜デラウェアLPS事件最高裁判決〜一 はじめに二 デラウェアLPS事件の概要三 本件の争点と裁判所の判断四 デラウェアLPS事件における否認手法の検討と分析五 本件最高裁判決により引き起こされた問題六 むすびに代えて第3章 有利発行と既存株主に対する課税(オウブンシャホールディング事件)〜法人税法22条2項の適用⑴〜一 はじめに二 事案の概要及び最高裁判決の判旨1 事案の概要2 最高裁判決の判旨三 検 討1 問題の所在2 法人税法22条2項において無償譲渡等に係る収益が益金に算入するものとされる理由3 法人税法22条2項にいう「取引」の意義4 資産価値の移転についての合意等の要否5 法人税法22条2項にいう「取引」の当事者6 なぜ本件で裁判所は法人税法132条を適用しなかったのか四 終わりに第4章 有利発行と引受人に対する課税(大手商社タイ子会社有利発行事件・神鋼商事事件)〜法人税法22条2項の適用⑵〜一 問題の所在1 有利発行の意義及びその課税上の取扱い(概観)2 誰から誰に対する利益移転がなされたものとして取り扱われるのか二 有利発行課税の構造と本判決1 本判決の事案2 利益移転の当事者と法人税法22条2項にいう「取引」の当事者3 利益移転に関する当事者間の「合意」ないし「意思の合致」の要否4 有利発行該当性に関する問題5 引受人保有に係る株式についての希薄化損失の取扱い三 終わりに第5章 強制消却と株主に対する課税(日産事件)〜法人税法22条2項の適用⑶〜一 はじめに二 事案の概要及び判決の判旨1 事案の概要2 第一審におけるX社の主張と本件一審判決の要旨3 本判決におけるX社の主張と本判決の要旨三 検 討1 問題の所在2 本判決における法人税法22条2項及び同法61条の2第1項の解釈に関する問題点3 本判決における法人税法22条4項の解釈に関する問題点4 本判決における法人税法37条7項の解釈に関する問題点5 本判決における法人税法24条1項の解釈に関する問題点四 終わりに第6章 公正処理基準該当性による否認(クラヴィス事件)~法人税法22条4項の適用~一 はじめに二 法人税法22条4項(公正処理基準)に関する最近の裁判例の傾向1 大竹貿易事件最高裁判決2 最近の裁判例の概観3 最近の裁判例に見られる公正処理基準該当性の判断方法三 最近の裁判例に見られる公正処理基準該当性の判断方法に対する学説の評価1 学説の評価2 その他の学説四 クラヴィス事件最高裁判決1 はじめに2 クラヴィス事件の概要と背景3 事実関係4 クラヴィス事件控訴審判決(大阪高判平成30年10月19日税務訴訟資料268号順号13199)5 クラヴィス事件最高裁判決における公正処理基準該当性の判断方法第7章 ToSTNeT-3取引を利用した自己株式取得とみなし配当 〜ゼンショー=カッパ・クリエイト事件〜一 はじめに二 株式売却の所得課税三 事案の概要1 自己株式取得に至る経緯2 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)3 自己株式取得の実行4 ゼンショーの申告と更正処分四 問題の所在五 国税不服審判所の判断1 自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を利用した自己株式の取得とみなし配当2 ゼンショーの主張に対する判断3 「正当な理由」の有無六 検 討1 資本業務提携の解消に伴う株式処分と自己株式取得2 文理解釈の原則3 借用概念論からの検討七 終わりに第8章 利益剰余金と資本剰余金の双方を原資として行われた剰余金の配当の課税関係と政令の違法・無効~国際興業事件最高裁判決〜一 はじめに二 事案の概要1 事実関係2 争点三 各争点に対する最高裁の判断とその検討1 混合配当に法人税法24条1項3号をどのように適用するか(争点②)2 みなし配当の計算方法を定める法人税法施行令23条1項3号の問題点(争点③)3 混合配当該当性の認定基準(連続する剰余金の配当の個数)(争点①)四 本判決後の動向1 過去の税務処理への影響2 令和4年税制改正による対応と残された課題第9章 子会社株式簿価減額特例を巡る問題一 ソフトバンク・グループのARM株式を巡るグループ内組織再編を用いたタックス・プランニング1 はじめに2 ARM株式を巡るタックス・プランニングの概要二 令和2年度税制改正による子会社株式簿価減額特例の創設1 本税制創設の背景2 本税制の概要3 子会社株式簿価減額特例における期中配当の取扱い4 期中利益の吸い上げについて本税制が適用されるとした場合の問題点三 令和4年度税制改正による子会社株式簿価減額特例の改正1 令和4年度税制改正の概要2 2021年3月期に外国子会社の簿価減額を行わずに申告がなされた場合の取扱い3 残された課題第10章 租税条約の特典の否認一 はじめに二 租税条約の濫用防止規定1 受益者(Beneficial Owner)要件2 LOB(Limitation on Benefit)条項3 PPT(主要目的テスト)条項4 導管取引防止規定5 BEPS最終報告書による条約濫用防止措置三 日愛租税条約事件1 事案の概要2 判決の概要四 MLI発効後の条約濫用防止規定(PPT)1 PPTの導入状況2 PPT条項の解釈第11章 消費税の仕入税額控除の否認に係る紛争事例一 はじめに二 消費税額の計算の仕組みと仕入税額控除に係る紛争三 納税義務者の消費税法上の属性と仕入税額控除1 免税事業者2 簡易課税事業者3 一般の消費税課税事業者(原則課税事業者)4 小括四 課税仕入れの属する課税期間を巡る近時の裁判例の検討1 総論2 機械装置の製造請負契約に係る裁判例3 建物取得と金地金売買に係る裁判例4 不動産売買の契約締結と代金支払・移転登記申請との間の時期のずれが問題とされた裁判例5 裁判例に係る検討と考察五 課税仕入れの属する課税期間の課税売上割合が重要な要素となった事例-自販機スキームに係る裁判例1 事案の概要2 判決の概要3 考察六 課税仕入れと売上げの牽連性-個別対応方式における用途区分問題1 近時の裁判例の状況2 考察事項索引判例索引 注文時のご注意 【お支払い・商品の発送方法について】 購入された書籍は、出版社ごとに請求書を同封して発送いたします。 異なる出版社の書籍を複数同時に購入された場合は、それぞれの出版社から別々の荷物で発送されます。 代金のお支払いは出版社ごとの請求書にてそれぞれお支払いください。 【商品の返品について】 商品の返品は原則不可とさせていただいております。 落丁・破損等があった場合については、各書籍の出版社までご連絡ください。